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マンション共用部分のリモデルの取り組み

わが国ではマンションの屋上防水や外壁仕上げ・鉄部塗装などの大規模修繕を10〜12年毎に多額の工事費をかけて実施しますが、
売買価格は下がり続けます。 しかし、アメリ力では、マンションや住宅は古いものほど売買価格が高いのが一般的です。
その理由は、アメリカ人が所有する住宅やマンション の維持管理において、日本のように仕上げ材の更新だけではなく、間取りや デザインの改善も行う、リモデルと呼ばれる維持・改修の方法を 実行しているからです。
下に記載している表でも明らかなように、アメリカではストック額(中古住宅価格)が、投資額(新築住宅価格)を上回っています。
古くなっても美しくリモデルされ風格や魅力を増したマンションに 幾分高いお金を払っても住みたいと思う人が多数存在するからです。
表によれば、日本の場合、中古住宅の価格は新築時の価格の半分以下です。 マンションの場合は戸建て住宅ほど極端に値下がりはしませんが、半額以下に値下がりする事例はザラです。
しかしわが国における最新の研究では、日本でも、古くても美しく文化的価値の高いマンションを好む人々が少なからず存在することがわかっています。
日米の住宅投資額累計と住宅資産価値

アメリカで人々に好まれる
歴史的様式が美しいマンションや住宅

  • アメリカで人々に好まれ古くなっても高価格で売買されるマンションや住宅の特徴は歴史的な美しい建築様式でデザインされたものであることがわかっています。

アメリカで人々に好まれる歴史的様式が美しいマンションや住宅

サンフランシスコのマリナブールバールに接して建つスパニッシュスタイルのコンドミニアム。(日本のマンション)。そそり建つ二本の塔屋とスパニッシュ瓦屋根が形づくるスカイラインが魅力的である。壁面を飾る縦長の窓の並びも美しい。
ニューョークのセントラルパークの南に建つ築後100年は経過していると思われる、イギリスのチューダー様式のコンドミニアム。 専有約70㎡の住戸が1億7千万円で、売買されている。

日本において人々に好まれる美しい歴史的様式を用いて
マンションリモデルに取組つつある事例

  • 日本でも、竹山清明の調査では少なからぬ人が歴史的建築様式を好むことがわかっています。アメリ力に範を取ったリモデルでマンションの価値を高める取り組みを行う 予定になっています。竹山清明が芦屋で1住戸を所有する芦屋のとあるマンション(築後43年)を竹山清明の 提案内容で実現することを目的とするリモデル委員会 (従来の修繕委員会)が 設置され管理組合全体の合意形成の取組が成されつつあります。仕上げ材の高耐久化の取組みも並行的に行われ、これまでの戸当たり月額約16千円の修繕積立金が1/10になるという算定もあり、大多数の組合員がリモデル計画に賛意を示しています。 この計画の詳しい内容はこの度出版された「マンション大規模修繕暮らしやすく豊かな生活空間づくり」をご覧下さい。

芦屋のとあるマンションのリモデル計画

アーツ&クラフツ様式と同時代の、親和性の高いアールデコ様式風の洒落たガラス庇のあるエントランスに改善。
昆布巻き風のやや鈍重な現在のエントランス庇
既存マンションを、20世紀初頭にイギリスで人気のあったアーツ&クラフツ様式を用いた外部デザインにリモデルすることにより価の値維持を意図した事例です。こんなことが実現すれば住んでいても楽しいですね。
デザインがきちんとなされていないマンションは文化的価 値が乏しく、古くなれば売買価格が下が り続けます。
現在の芦屋のとあるマンション西側の大量生産型デザインの外観
玄関ホー ルをアーツ&クラフツ様式でリモデル。梁をアーチ状に整形 し、木製飾り梁を付加し歴史的建築の趣を出しています。空間を大きくまとめ総会が開ける会議室とする計画になっています。
薄暗い廊下のようで魅力に乏しい現況の玄関ホール。 マンションの顔としての玄関ホールの魅力は欠如しています。
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