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事例紹介

マンション・集合住宅

ブリック・ブロック(1988)

神戸市垂水区滝の茶屋に建設された50戸程度の鉄筋コンクリート造5階建ての民間賃貸マンションです。建設省の意欲的な新制度であった地域特賃Bという家賃補助の付いた準公共住宅の、西日本第1号の施設です。

もともとはワンオーナーが所有する木造賃貸住宅密集地区でしたが、これを一掃し、鉄筋コンクリート造の集合住宅に建て替えたものです。1住戸の専用面積は、建設時の公営住宅とほぼ同等の63㎡程度でした。

外部仕上げは、落下しにくいように詳細に工夫を加えた煉瓦タイル張りとコンクリート打ち放し、屋根仕上げは緑青仕上げの銅板葺きで、いずれもメンテナンスフリーを意図したものです。

南側の外観です。白い尖った屋根の付いた塔状部分の1階がメインの玄関です。その上の丸い部分は、階段室の窓になっています。

1階の太い丸柱の部分は、ピロティの駐車場です。1995年の神戸の大地震では、ピロティ駐車場を持つマンションは大きな被害を受けましたが、この建物は無被害でした。協力してくれた建築構造事務所の技術力が高く、周到な構造計画・設計をしていただいたからです。

4層に縦にならぶ煉瓦張りのベランダ手摺りの間には、穴あき煉瓦を7段に積み、風格を演出しています。

上の写真のメインの玄関から入った玄関ホールです。賃貸マンションですがオートロックを設置しています。黒い枠の楕円形の扉が入口です。その左側にパスボックス型の郵便受けが並んでいます。

建設当時は、分譲マンションでもオートロックの導入は多くはありませんでした。しかしこのマンションのオーナーが先見性のある方で、将来的に社会常識になるのであれば、少しお金はかかっても良いものにしておきたいといのご意見で、オートロックの設置を決めました。

デザインはモダニズムのシャープなものになっています。

近年の私のデザイン傾向であれば、もっと優しい気の置けるデザインにしていたであろうと、少し反省しています。

この建物はコの字型の配置計画になっており、一番上の写真や2番目の写真はコの字の外側から撮ったものです。この写真はコの字の内側の駐車場広場から撮影した夜景です。裏側であっても見ていて楽しいデザインにしたいと思い、表と同じ穴あき煉瓦を積み空間に魅力を与えています。夜間で煉瓦の色や形は判然としませんが、穴の開いたシルエットが並び、魅力的ですね。

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